作家作品金澤東山しつらえ

吉田美統

九谷焼

錦山窯三代目吉田美統(よしだみのり)さんは新しい九谷の美を追求し「釉裏金彩」で人間国宝(国指定重要無形文化財保持者)に認定されています。三代目吉田美統さんは花や蝶などをモチーフとする独自の釉裏金彩の世界を確立しました。釉裏金彩とは厚みの異なる2種の金箔を切り取って模様を作り、その上から釉薬をかけて焼き上げます。また細かい表現を実現するため研究を続け様々な道具を試した結果、医療用の器具を使い繊細な模様を表現するまで確立しました。繊細な動植物の緻密な表現や遠近感のある優美な世界観を堪能してください。

仲田錦玉

九谷焼

三代仲田錦玉さんは、青粒(あおちぶ)技法の第一人者として伝統工芸士に認定されています。大正時代に広まった技法で、細かい青絵具の点を立体的に盛り上げて均等に美しく渦を巻くように描く技法です。また盛り金技法で描かれた美しい模様も特徴の一つです。全て手作業で作られていますが、近くでみると均等に配置された青粒の美しさを感じることができます。九谷焼の中では比較的新しく、大正時代に広まった技法です。大きさや、感覚を均等に美しく青粒を並べるには熟練の技を要します。抽象的な柄の他にブドウや桜など植物をモチーフにした作品も多く、大変人気です。

宮吉由美子

九谷焼

染付銀彩技法で青と銀彩が特長的なこの作品は、伝統工芸士の宮吉由美子さんの作品です。九谷焼でありながら西洋文化が混ざったような女性らしいエレガントな作風です。また青一色で濃淡が表現されており、一色の釉薬のかけかたの違いで繊細な模様が巧みに表現されています。地の白とのコントラストが大変美しい作品が特徴的です。写真のような洋食器以外にも、香炉やお茶碗など和洋広い用途で、普段から使えるテーブルウェアの作品が多いため、一目惚れしてご購入されるお客様も多くいらっしゃいます。

田谷漆器店

輪島塗

田谷漆器は200年以上の歴史があり、伝統的な輪島塗から、時代の流れに合致し日常で使えるモダンな輪島塗まで、より多くの方が手に取り使っていただけるような品を作り続けています。塗師屋として代々受け継がれてきた同社は、お客様の声をもとに企画をし、製造工程別に分かれた専門の職人に仕事を依頼するプロデューサー的な役割を持ちながら様々な商品を作り上げてきました。漆や木は自然のものですので、その特性を踏まえた上で、各工程で時間をかけ手間暇惜しまずじっくりと作られています。堅牢優美な輪島塗の作品をどうぞ手に取りご覧ください。

針谷祐之

山中漆器

山中で工房を構える「うるしアートはりや」の代表針谷祐之(はりやまさゆき)さんは、蒔絵の伝統工芸士に認定されている作家です。家族で作家活動に従事しており、それぞれ個性的な蒔絵のブランドのアクセサリーなどの製作に取り組んでいます。針谷祐之(はりやまさゆき)さんは、生地に拘り伝統的な平蒔絵を施された作品が多く見られます。特に茶道具は人気が高く棗や香合など多くの作品を作られています。近年、高円宮殿下が妃殿下とともに蒐集された「高円宮コレクション」にも作品が掲載されています。

寺嶋絵里子

金沢漆器

ひのき、ブナ、黒檀、柿、アガチス、楓などの木材に丁寧な作業で漆を何層にも塗り重ね、美しく艶のある朱、黒を出しています。通常漆器は、分業制を取りますが寺嶋絵里子さんは木地を造るところから下地、塗り、加飾、磨き上げまでを一貫して手がけている他にはないオリジナル作品を作る作家です。木製に、伝統工芸の技法を用いているため、貴金属のジュエリーにくらべてかなり軽く長時間身につけても負担が少ないのが特徴です。

針谷絹代

山中漆器

針谷祐之さんと共にうるしアートはりやを設立し、針谷絹代さんも伝統工芸士の認定を受けた作家です。早くから蒔絵を取り入れたアクセサリーを作り、女性向けの伝統工芸作品を多く手がけています。祐之さんと同様に「高円宮コレクション」に掲載され、根付作家としても名を記されていることでも有名です。油絵での受賞歴を蒔絵に活かし、色漆を細かく丁寧に重ねて写実的に描く「細描蒔絵技法」を確立しました。作品の多くは白蝶貝や黒蝶貝、琥珀など天然素材を用いたアクセサリーで、素材の余白を活かし絵画のような美しい色使いとなっています。

箔一

金沢箔

金箔と手わざを活かした作品を作っているのが、箔一です。箔蒔絵師が漆で丁寧に塗られた朱色のお椀に吉祥柄である七宝紋を描きました。どこで柄を合わせても七宝紋の柄となるよう計算されているのが、この作品の妙です。まん丸で可愛い形も人気の縁起の良い器です。

箔一

金沢箔

絵から飛び出してくるかのような迫力のある絵を描いた金屏風です。鳥の子和紙を下地に金箔を貼り、水墨画のような技法で暗雲立ち込める空を泳ぐ龍を描きました。箔一では多くの屏風を手がけており、この作品もその一つです。昔ながらの技法と現代的な技法を組み合わせ、龍の目を立体的に描いています。

箔一

金沢箔

日本らしい情景といえば赤富士です。画材として無数の画家に取り上げられ、世に名画が多く残されています。この赤富士の掛け軸は、長い間箔一で愛され続けてきた作品です。朝日に照らされ赤く染まる赤富士と、力図良い尾根の頂を金箔で立体的に描きました。また早朝の霧が漂う中に、眼下の松の木が見え隠れするなど縁起の良い掛け軸となっています。