北陸の伝統工芸
金沢を拠点に、能登、越中を含む加賀百万石と謳われた石川には、36業種もの伝統工芸が受け継がれています。これだけ多くの伝統工芸が受け継がれている地域は他にありません。箔一は、数百年もの歴史、文化とともに育まれ、日本らしさを誇るこれらの伝統工芸を守り、大切に継承していくことが、伝統産業を担う私たちの使命だと考え金箔以外の伝統工芸作家様の作品をサポートしております。このページはその中から当セレクトショップで取扱のある北陸の伝統工芸をご紹介しています。

加賀友禅

加賀友禅は、「藍・臙脂(えんじ)・黄土・草・古代紫」の加賀五彩と呼ばれる色を基調としています。京友禅と比べると落ち着いた色味と、草花などをモチーフとした写実的な絵柄が多いのが特徴です。色の濃淡をつける「ぼかし」や、風物のありのままを描く「虫食い」といった技法を用いて自然美を着物に映し出します。金箔や刺繍などをほどこした京友禅に比べると決して華やかではありませんが、質実剛健を旨とする武家文化が生み出した気品と趣とが、加賀友禅ならではの存在感を醸し出します。

写真提供:石川県観光連盟

加賀繍(かがぬい)

加賀繍(かがぬい)

加賀繡(かがぬい)は、室町時代に仏教の布教とともに京都から金沢に伝えられました。主に仏前の内敷や僧侶の袈裟などを飾るた目に伝えられた刺繍の技法です。江戸時代になると藩主の陣羽織や奥方の着物にも施されるようになり、定着しました。加賀繍の特徴は絹糸の色を変えながらグラデーションさせる「ぼかし繍」と、何重にも重ねて繍うことで立体的に表現する「肉入れ繍」です。一針一針丁寧に縫い上げて生み出される絵柄は華やかで奥ゆかしい美しさがあります。現在では着物、帯、半襟だけでなくバッグやアクセサリーなど洋装の小物にも展開されています。

写真提供:石川県観光連盟

九谷焼

九谷焼

九谷焼の歴史は江戸時代初期まで遡り、加賀の支藩であった大乗寺藩の初代藩主が九谷村(現在の石川県山中町九谷)で生産を命じたことに始まると伝わります。わずか50年後突然九谷の窯は閉じられてしまいますが、その間につくられた作品が後に「古九谷」と呼ばれ、多くの名品が生まれました。古九谷の廃窯から約100年後、加賀藩は金沢城近くに窯を開き、その後城下に多くの窯が誕生しそれぞれの作風を確立し再興しました。現在では九谷焼の特徴である九谷五彩(赤・緑・黄・紺青・紫)を巧みに使った美しい作品だけでなく、新しい色彩の作品も生まれています。

写真提供:石川県観光連盟

輪島塗

輪島塗

輪島塗は、石川県の北端に位置する輪島市で生産される漆器です。その堅牢さと優美さから漆器の最高峰等も言われる伝統工芸です。実用性の高さはその作り方からも見て取れます。傷みやすい縁には、木地に麻などの「布着せ」を行い、下地には輪島市で産出される「地の粉」を用い強度を高めます。また、漆を塗り重ね生み出された美しい艶の上に、沈金や蒔絵といった緻密な加飾が施されます。輪島塗はこのように木地、下地塗り、上塗り、加飾など100以上の工程を分業制で行なっており、専門性を高めることで高い品質を保っていると言えます。

写真提供:石川県観光連盟

山中漆器

山中漆器

山中漆器は、温泉地である石川県加賀市で作られる漆器です。山中で漆器が始まったのは安土桃山時代と言われています。石川県内には3つの漆器産地(輪島、山中、金沢)がありますが、その中でも山中は轆轤を巧みに使った挽物の産地として、全国で有名な轆轤挽物の産地です。山中では挽物の中でも、特に木肌に極細の筋を入れる加飾挽きを得意としています。その手法は様々で数十種に及びます。木地は立木を自然な方向に木取りするため歪みが生じにくく狂いの少ない点が特徴です。また木地だけではなく高蒔絵を施した茶道具の優美さも高く評価されています。

写真提供:石川県観光連盟

金沢箔

金沢箔

金沢でいつの時代から金箔、銀箔の製造が始まったのか定かではありませんが、加賀藩初代藩主・前田利家が、文禄2年(1593)に豊臣秀吉の朝鮮の役の陣中より、明の使節団の出迎え役を申し渡され、武者揃えの槍(やり)などを飾るため、領地の加賀、能登で金箔、銀箔の製造を命じる書を寄せているのが始まりとされています。1696年に江戸・京都以外では区の製造が禁止されますが、密かに金箔、銀箔以外にも真鍮箔などの金沢箔の生産が行われ、質と量ともに大きく発展してきました。現在では、金箔の生産量は全国の99%以上を占めています。

写真提供:石川県観光連盟

桐工芸

桐工芸

金沢の桐工芸の特長は、焼いて磨いた木目の美しさを生かした蒔絵加飾にあります。桐は非常に軽いという特性に加えて、熱を外へ逃がさないという性質を活かした桐火鉢が発祥です。明治20年代に加賀蒔絵の巨匠、大垣昌訓が桐火鉢に蒔絵加飾を考案したことからその木目と蒔絵の美しさと、利便性により全国的に広まりました。現在では暖房器具が普及し火鉢の生産に変わり、花器や菓子器などが生産されています。焼桐に蒔絵装飾という全国的にも類稀な意匠性から、注目度の高い伝統工芸品です。

写真提供:石川県観光連盟

加賀毛針

加賀毛針

加賀毛針は、魚釣りに使われる疑似餌として使われるもので、針に野鳥の羽を付けて虫のように見せ主に鮎釣りなどに使用されていました。藩政時代から加賀藩では鮎釣りが奨励されていた事で、金沢ならではの技術が発達したと言われています。原材料は全て野鳥の羽毛を使い、針との接合部分に漆や金箔を施すなど姿の美しさと技術力の高さで根強い人気があります。最近では、加賀毛針の技術や材料を活かしたアクセサリーが、県内外で高い人気を誇っています。水鳥の羽毛を染色した鮮やかさと、羽毛が風で舞う繊細さの両方を併せ持っています。

写真提供:石川県観光連盟

加賀水引細工

加賀水引細工

水引とは和紙をこより状にして水糊を引いた紙紐です。基本は贈り物を包んだ後、水引で結ぶことに使われていました。現在では水引細工の技術が進歩し、松竹梅や、鶴、亀、宝船飾りといった吉祥を表現した意匠性も高い水引飾りなどにも発展しています。元来、水引は慶事の際、贈り物の飾りとして用いられていました。現在では色彩の華やかさや、水引の繊細さを活かしたアクセサリーとして、ピアスやイアリング、ブローチといった作品も多く作られています。

写真提供:石川県観光連盟