北陸の酒蔵紹介
北陸は美味しい酒を生み出す条件が揃っていると言われています。清らかなお水、美味しいお米、そして冬の厳しい寒さです。全国的にも有名な銘酒を作る酒蔵だけでなく、小さくても丹念に酒造りを行い、地元の人たちに愛されている酒蔵も多数存在します。氷見店では、これら北陸の酒蔵のうち35の蔵から県外の方に味わっていただきたい150種の地酒をセレクトしました。季節毎に限定の地酒なども取り揃えております。北陸の旨い酒をぜひ探してみてください。
富山県

髙澤酒造場 (富山県氷見市)

江戸末期に初代利右ェ門が氷見を訪れ、明治5年(1872年)に酒造りを手がけたのが髙澤酒造場の始まりです。当時は蔵のすぐ裏まで海が迫っており、豊富な井戸水と富山湾からの海風が適していると利右ェ門が考えたと思われます。髙澤酒造場を代表する酒は、有磯海、そして立山連峰越しに昇る日の出の勢いの良さに感銘して「有磯 曙」と名付けられました。昔乍らの製法を守りつつ、更なる酒質向上を目指し技術向上を図っております。代々、仕込み時期には、海から吹くあいの風を利用し蒸米を冷やし、富山県内では唯一全量槽搾りをしております。口当たりが柔らかく、後味キレのよいお酒を醸しております。

成政酒造(富山県南砺市)

成政という名は、戦国時代に越中を納めていた武将、佐々成政にちなんで付けられました。成政酒造は石川県との県境に聳え立つ「医王山」の峰をくぐり抜けてきた水による酒造りをしています。かつて佐々成政が水を求め鑓をふるって地を突いたところ、そこから水が湧き出たという謂れを持つ「槍の先の水」として名高い水です。また、南砺市を中心とする一帯は有数な酒造好適米の産地で、その中でも高品位の「五百万石」を持ち込んだのは前蔵元の山田外三郎です。「蔵が立地する土地のお米でお酒を醸すのが王道」と酒米を栽培したのが所以です。その地の水、米、地酒のあり方を大切にし作られた酒は芳醇な香りとキレの良さが特徴です。

皇国晴酒造(富山県黒部市)

皇国晴(みくにはれ)酒造は黒部市の東部生地(いくじ)に位置します。富山湾がすぐそこに迫り、黒部川の最下流になる町です。ここ生地地区には約20箇所の湧き水スポットがあります。北アルプスに降り積もった雪が溶け出し、その水が地下へと少しずつ滴り落ち、長い時間をかけてこの地区に「清水(しょうず)」と呼ばれる、日本名水百選に選定される水を生み出したのです。皇国晴酒造は、明治20年の創業以来、生地地区の清水の一つである「岩瀬家の清水」を仕込み水として酒造りを続けています。この名水を水洗いから仕込、蔵内の掃除まで贅沢に使い時代の流れを取り入れながらも、昔ながらの手法を大切に「毎日気軽に飲んでいただける美味しいお酒」をお届けします。

若鶴酒造(富山県砺波市)

散居村が広がる砺波平野の豊穣な大地に実る米と、清冽な庄川の伏流水で仕込まれるお酒は、そのまろやかな風味と爽やかな含み香で多くのファンを引きつけています。米は富山で育った酒造好適米「雄山錦」や兵庫県「山田錦」。かつて若鶴酒造では、越後流と南部流、ふたつの地域の杜氏がそれぞれ蔵を持って技を競い合いながら酒造りに取り組んでいた時期がありました。二人の杜氏から酒造りを学んだことを活かし、現在は南部流の濃厚さと越後流の淡麗さをバランスよく併せ持った味わい深い酒造りをしています。鶴のようにしなやかさを持ち、両方の酒造りの味わいや伝統を継承しながらも、独自の発想によりお酒を醸し続けています。

銀盤酒造(富山県黒部市)

銀盤酒造では、仕込水に日本の名水百選に選ばれた黒部川扇状地湧水群の軟水を使用しています。黒部川扇状地の湧水は、北アルプス連峰に降り積もった雪が、花崗岩層を約10年かけて通り抜け濾過された清らかな水といわれています。この潤沢な天然の良水を、仕込みや米を洗う水、原酒に加える水として使い造られています。米は酒造好適米の中から「山田錦」と「雄町」をセレクト。酒造好適米は雑味の元となるタンパク質が少なく酒造りに適している反面、収穫まで大変手間がかかる米と言われています。その手間を惜しまず育てられたを30~50%以下まで惜しみなく磨き、高品質で、買いやすい価格のお酒を提供している酒蔵です。味わいはやや辛口で日本酒通にもファンが多いお酒です。

若駒酒造場(富山県南砺市)

南砺市井波の瑞泉寺の門前町に、明治22年(1889年)創業。代表銘柄の若駒は、天までかけのぼる天駒のように、若駒の酒が広く親しまれ愛されるようにと名づけられました。信仰と木彫りの郷「井波」で、伝統の技を生かし富山県産米と庄川上流の伏流水を使用した飲み飽きのこない辛口の酒を販売しております。純米酒と本醸酒である「若駒」と、純米吟醸酒「八乙女」の2つの銘柄があります。キレのある味わいが多い富山の酒の中では深みがあり、米の旨味のひきたつ中に、飲んでさっぱりとした味わいが愛好家にも評価が高いポイントです。

石川県

鹿野酒造(石川県加賀市)

鹿野酒造の代表的な酒「常きげん」は、大豊作を村人たちと祝う席で4代当主が「八重菊や 酒もほどよし 常きげん」と一句詠んだことに由来します。文政2年(1891年)に創業するよりも前に、鹿野酒造が位置する石川県加賀市八日市あたりは、平安時代の終わりから室町時代中頃まで七つの荘園があり豊穣の地であったことが伺えます。酒蔵に一番ふさわしい米を知るためこの豊穣の地で自分たちの手で米作りを続けています。さらに水は、白山の清冽な伏流名水、蓮如上人の掘った伝説の「白水の井戸」より湧出する仕込み水を使って、品質本位の酒造りを行っているのです。出来上がったその酒は、ふくよかな香りと味のキレの良さは抜群で、4年連続で全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなどの実績となって示されています。

宗玄酒造(石川県珠洲市)

宗玄酒造の祖先は戦国時代まで遡ります。七尾城主を務めた畠山義春の一族が1577年上杉謙信の城攻めに遭い、宗玄と改姓し居を構えたのが現在の宗玄の地となりました。4代当主は酒を「見山」と名付けましたが、土地の人は「宗玄酒」と呼んでいたと言い伝えられます。当時一般的に飲まれていた酒は「どぶろく」だったので、酒の味も香りも問題視されていませんでしたが、1844年、現在の灘地方へ趣き美酒づくりを習得し故郷に帰りました。帰郷し純良の清酒を醸し「剣山」と命名するも地方では初めて見られる清酒で、更に他郷での苦労話が評判となり、越中地方に持ち運ばれ多くのファンを作りました。しかし皆「剣山」と呼ばず「宗玄酒」と呼び慣れた呼び名で呼ばれ現在に至っています。現在もその名残から剣の山形の図案を用いたラベルもあり愛飲家の方に広く親しまれています。

車多酒造(石川県白山市)

石川のお酒といえば「天狗舞」と言えるほど全国的に有名なお酒を醸しているのがここ車多酒造です。文政6年(1823年)創業以来、天狗舞は霊峰白山を望む加賀平野で醸されてきた”地の酒”です。食事と一緒に楽しめる酒造りを目指して自然に存在する乳酸菌からなる山廃造りをはじめ、酒米の特性・旨味を最大限に醸し出すことを酒造りの要点とし、きめ細やかでふくらみのある酒を醸し続けます。この山廃仕込の酒が特に多く、味わい豊かでキレの良い日本酒を醸しているのが全国、世界に愛飲家の多い所以です。また車多酒造は手をかけることに拘っています。麹造りや酒母造りは人の五感や経験を大切に手造りにすることが技術の伝承に必要不可欠だと考え、次代へ継承し連綿と酒造りを続けています。

吉田酒造(石川県白山市)

明治3年創業。現在吉田酒造が位置する山島村(現 安吉町)はかつて10数軒の造り酒屋が存在し、酒造りの村と言われました。現在は吉田蔵のみとなりその歴史を伝えています。地元の自然あっての酒造りを大切にし、自然を守り良質で安全なお米にこだわり、水は手取川の伏流水を使っています。この清澄な自然の中、作られているのが、吉田酒造を代表する「手取川」です。「手取川」のこだわりは、料理に合う旨い酒を飲む大人に喜ばれるお酒を値ごろ感のある価格で提供しています。その為には手をかける伝統的な技術を忠実に守りながら最新の設備を投入するなど工夫を凝らし安心安全、高品質で買いやすい酒を醸しています。

菊姫酒造(石川県白山市)

安土桃山時代に創業した歴史ある酒蔵です。菊姫という名前を冠するようになったのは昭和3年。昭和36年には、能登杜氏四天王のひとりである野口尚彦氏が杜氏として加わり全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど順調に発展して来ました。その後酒づくりのノウハウをデータ化し、温度センサーやコンピューターを駆使して酒造りを管理する「酒マイスター制度」を導入します。杜氏の五感や経験も大切にした感覚と科学の両方をバランスよく活かした酒づくりと言えます。原料となる酒造好適米には、普通酒においても品質の高い山田錦の中でも最高ランクとなる米を採用しています。その酒はコクと旨みが充分に感じられる日本酒通好みのクセのある味わいです。

武内酒造(石川県金沢市)

明治元年(1868)年創業。金沢の北東部の山林に囲まれ、静かにたたずむ浮屋根土蔵づくりの酒蔵です。酒蔵を営むのに最低400石必要と言われている中、「御所泉」は年間100石程度しか生産されていません。昔ながらの手造りを続ける全国でも有数の小さな蔵元で、創業以来金沢市内の中でも近隣への製造直販を行うスタイルで、遠方の方はなかなか入手が難しく「幻の酒」と言われています。地元で愛され続けて来た「御所泉」は、本物を追求し、地元産酒造好適米のみを使い、低温でじっくりと発酵させるなど、味、香りを常に追求し、酒本来の旨みを大切に醸されたお酒です。濃厚な旨みと香りを楽しめる印象的な味わいです。